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新聞記者やめます。あと81日!【新聞社の社長こそ率先してツイートし記事を拡散するべきだ!】

新聞社名を明かさず、職務外活動として、個人の氏名と「ジャーナリスト」の肩書だけでTwitterを始めた5年前。最初の1ヶ月でフォロワーは100人に届かず途方に暮れた。無人の荒野でひとり天に向かって叫んでいる気分になった。

Dr.ナイフさんのように、何の肩書にも頼らず魅力的なツイートと丁寧な交流で数万人のフォロワーを獲得した匿名インフルエンサーたちに心の底から敬服したものだ。

やはり新聞社は恵まれている。「○○新聞社会部」「○○新聞官邸クラブ」という名前だけで、大したツイートも双方向の交流もしていないのに簡単に10万、20万のフォロワーを集めている。新聞記者も恵まれている。「○○部記者」「◯○特派員」と名乗るだけで、さして努力をしなくても数千のフォロワーを集めている。

日本はまだまだ肩書社会なのだ。

私が新聞社名を明かさなかったのは、会社からツイート内容に口出しされたくなかったからだった。そのために職務外活動として行うと会社に届け出た。それでも会社は当初、あれこれ口出ししてきた。私は屈しなかった。この5年間、1日も欠かさずツイートしてきた。所属新聞社の記事もおかしいと思えば批判した。記者個人の言論の自由とジャーナリズムの健全な発展を願ってのことだ。そのくらいの覚悟がないと、自称「ジャーナリスト」のツイートは誰の目にも止まらない。

実際にみていると、東京新聞の望月衣塑子記者ら一部の例外をのぞいて、新聞記者のツイートは概して面白くない。みんな会社を背負っている。だから、つまらない。大量のツイートが流れ去っていくこの世界に、組織を忖度して奥歯に物が挟まったようなツイートの居場所はない。

報道機関の組織人としての立場と、ジャーナリスト個人としての発信をどう両立させるか。組織と個人のはざまで悩む記者は少なくなかろう。

私はその点、様々なノウハウを身につけた。お悩みの新聞記者の皆様はぜひこのサイトの「お問い合わせ」までご相談ください。秘策を伝授いたします。

少し話がそれた。そう、私が言いたかったのは、日本はまだまだ肩書社会であるということだ。それを大上段に批判しても始まらない。ならば、デジタル空間で存在感の薄い新聞社は、自社の記事を拡散したいのなら、その「肩書社会」を大いに利用すればよい。それがきょうの本題である。

フォロワーを集めたり、ツイートを拡散させたりするのに、新聞記者は一般の人々よりも遥かに有利だ。さらにこの「肩書社会」においては、一般の新聞記者よりはデスク、デスクよりは部長、部長よりは編集局長、編集局長よりは社長のほうが、より速く、より簡単に、フォロワーを集め、記事を拡散させることができる。

新聞の発行部数が激減している、高齢者にしか読まれていない、デジタルで記事が広がらないと嘆く前に、まずは社長以下すべての社員に実名でのツイートを義務付け、全員で記事拡散に取り組んだらどうだろう。数千人の社員全員が記事拡散に全力をあげれば、強力なインフルエンサー集団の誕生だ。そして、社長や編集局長が自ら「今日の一番の売りの記事」を毎朝、魅力的な短文でアピールしたら、若手記者がつぶやくよりも何十倍、何百倍もの効果があるはずだ。

「◯◯部」「◯◯クラブ」という組織名のツイートはだめだ。個人の顔、個人のキャラが見えないと、「お仕事ツイート」と受け止められ、魅力を欠き、拡散しない。ひとりひとりが140字に思いを込めて、多くの人々に届くように、自分の言葉を磨いて、毎朝、毎夕、ツイートするのだ。数千人の社員が実践すれば、下手な企業広告を出すよりよほど効果がある。経費はタダだ。新聞記者たちが自分の実名アカウントで世間の批判に直接さらされるのも、内弁慶の上から目線で凝り固まったサラリーマン記者たちの頭を打ち砕くのに大いに役立つだろう。

さらに提案したい。この記事拡散を記者の人事評価に直結させたらどうだろう。取材・執筆だけが記者の仕事という時代は終わった。記者は自分の書いた記事を自分で拡散する。部長は部下が書いた記事を拡散する。記事を売る会社として、当たり前の所作ではないか。そして次長や部長、局長に就任する資格条件として、その地位に応じて「フォロワー◯万人以上」と設定したらよい。出世競争に明け暮れるサラリーマン記者ほど血眼を上げて記事を拡散するはずだ!

私はこの「ツイッター戦略」を社内で提案したことがある。もちろん完無視された。「炎上」を恐れ「リスク」を取らず「無難」を好み「責任回避」にたけたエリート社員たちがそれに乗るメリットは何もない。

いまや社長のツイートが会社の株価を左右する時代である。ソフトバンクの孫正義会長のツイートをみると、トップ自ら発信して勝負しているなあと思う。リーダーとはそうあるべきだ。

新聞社も社長が自らツイートしたらよい。朝刊の記事を毎朝、出勤前に自ら売り込めばよい。最も拡散に有利な肩書を持っているのは社長なのだ。新聞社の社長は新聞記者出身である。140字を毎朝書くくらいお手のものだろう。何を恐れているのだろうか。社長が率先すれば多くのサラリーマン記者はきっと追従するはずだ。必要経費はゼロである。社長がすこし早起きすれば良いだけだ。井の中の蛙の記者集団を広い世界へ解き放ち、内向きな社風を刷新する会心の一手となろう。

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