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立憲野党私設応援団(30)「れいわローテーション」について真面目に考えてみた~憲法9条変えさせないよ

※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。


<目次>

1.賛否両論の「れいわローテーション」

2.「れいわローテーション」は半年ズラした方がよい

3.「れいわローテーション」から「参院選2025選挙戦略」を考える

4.「れいわローテーション」を通じた「れいわ新選組の今後の発展」を考える

5.おまけ:ローテーション動画

6.トピックス:統一地方選プレ選挙れいわ候補者泣き笑い

1.賛否両論の「れいわローテーション」

水道橋博士の参議院議員辞職に伴い、れいわ新選組は参議院で発生する繰り上げ当選を次点の大島九州男さんだけではなく5人でバトンリレーしていく「れいわローテーション」を採用することを表明しました。

2022年参院選れいわ新選組比例候補得票

1位:天畠大輔    特 定 枠  → 当選

2位:水道橋博士 117,794票 → 当選後議員辞職

3位:大島九州男  28,123票 → 2023年繰り上げ当選

4位:長谷川羽衣子 21,826票 → 2024年繰り上げ当選予定

5位:辻恵     18,393票 → 2025年繰り上げ当選予定

6位:蓮池透    17,684票 → 2026年繰り上げ当選予定

7位:依田花蓮   14,821票 → 2027年繰り上げ当選予定

8位:高井崇志   13,326票

9位:キムテヨン  13,041票

1年ごとに議員辞職と繰り上げ当選を繰り返していくこの方式については、様々な意見があります。

司法試験の受験対策などを手掛ける「伊藤塾」の塾長で弁護士の伊藤真さんは、「れいわローテーション」は憲法上や法律上の観点からは問題ない方法であるとして、次のように考察しています。

また、今回の「れいわローテーション」の当事者の一人である長谷川羽衣子さんは、「アエラ」のインタビューに答えて、自らの見解を示しています。

一方、昨年末に行われたれいわ新選組の代表選挙に立候補した古谷経衡さんは、「れいわローテーション」に反対の立場のようです。

SAMEJIMA TIMES主筆の鮫島浩さんは、「れいわローテーション」を今回だけの対応にとどめず、今後の衆参選挙でも継続していくべきであるとして、次のような記事を書いています。

れいわローテーションの主役・大島九州男氏の地元小倉での講演で打ち上げた「今後の衆参選挙も比例はローテーションで!」〜比例復活を重ねる他党の国会議員こそ議席を私物化している実態を炙り出せ!

2.「れいわローテーション」は半年ズラした方がよい

様々な人が様々な意見を述べている中で、私は、大石晃子さんが大阪府知事選挙に鞍替え出馬することを前提として、次のような「改案」を提案しています。

「れいわローテーション」改案

衆議院議員 任   期衆議院 比例 近畿ブロック参議院議員 任   期参議院 全国比例
2021年10月~2023年3月大石晃子2022年7月~2023年1月水道橋博士
2023年3月~2024年6月辻恵2023年1月~2024年6月大島九州男
2024年7月~2025年10月八幡愛2024年7月~2025年6月長谷川羽衣子


2025年7月~2026年6月辻恵


2026年7月~2027年6月蓮池透


2027年7月~2028年7月依田花蓮

私が作った「改案」は、参議院の「れいわローテーション」のバトンリレーの時期を「通常国会閉会」のタイミングにしているのがポイントです。仮に大石晃子さんの鞍替え出馬やそれに伴う衆議院議員辞職がない場合であっても、参議院の「れいわローテーション」のバトンリレーの時期は、現在予定している「1月」ではなく「7月」に半年ズラした方がよいのではないかと私は考えています。

「れいわローテーション」のメンバーの中には、議会での質疑の経験がない長谷川羽衣子さんと蓮池透さんという2人の「新人」がいます。(大島九州男さんと辻恵さんは国会議員経験者、依田花蓮さんは区議会議員経験者。)新人の2人にとっては、国会の論戦デビューが「1月に始まる通常国会」ではなく「秋の臨時国会」になる方が、議員生活をスムーズにスタートさせやすいのではないでしょうか。

私がそう思ったのは、鮫島浩さんと長谷川羽衣子さんの対談の話が頭に思い浮かんだからです。

この鮫島さんと長谷川さんの対談は、長谷川羽衣子さんがNHK「日曜討論」出演後に「ちょっとNHKでは言い足りなかったので、是非SAMEJIMA TIMESで言いたい」と鮫島浩さんに連絡を入れたのがきっかけで実現したものです。

この対談で、長谷川羽衣子さんは(NHK「日曜討論」への出演は)「持ち時間が1分ずつで4回しか当たらなかったので、ほぼ何も言えずに終わってしまいました」と語っておられました。

これと同じようなことが「国会質疑」でも起こる可能性はあるのではないでしょうか。

いかに長谷川羽衣子さんや蓮池透さんが能力の高い方だとはいっても、初めての国会質疑でいきなり自分が思い描くような形の質問ができるかといえば、それはなかなか難しいのではないかと思います。

少数会派である「れいわ新選組」は、もともと質問時間が短いうえに、国会で野次られたり、委員会で委員長に意地悪をされたりする可能性が大いにありますので、そのような「アウェー」の状況下で質問を行うことは、新人議員ではなくベテラン議員であったとしても、かなり難易度が高いことなのではないでしょうか。

もちろん、長谷川羽衣子さんも蓮池透さんも非常に能力の高い方ですので、少し経験すれば短期間で状況に適応して密度の濃い質疑を進めていかれるのではないかと思いますが、最初のうちは質疑で「言い足りないまま終わる」ということになる可能性もかなりあるのではないかと思います。

そこで、新人議員の質疑デビューは秋の臨時国会で行い、その期間で国会の質疑というものに慣れて、予算審議もあり世間の注目が集まる通常国会では、私たちを唸らせるような内容の濃い質疑が展開できるように、サイクルを考えてはどうかと思うわけです。

長谷川羽衣子さんと蓮池透さんが持っている専門性を十二分に活かしていくためにも、そうした配慮は必要なのではないかと思います。

3.「れいわローテーション」から「参院選2025選挙戦略」を考える

さて、「れいわローテーション」を今後の衆議院選挙や参議院選挙でも継続していくべきかどうかという論点についてですが、解散のある衆議院では「れいわローテーション」は積極的には採用せず、逆に、解散のない参議院では「れいわローテーション」の手法をフルに活用して党運営の戦略を考えていくべきなのではないかと、私は考えています。

解散のある衆議院で「れいわローテーション」のスケジュールを組んだとしても、衆議院は解散の時期がいつになるのか分からないため、「国会に行く順番が後の方の候補者たちは、自分のところまで順番が回ってくるかどうか分からない」という状況が生じてしまいます。

その点、解散のない参議院であれば、6年の任期を複数の人材でローテーションする「れいわローテーション」のスケジュールを組んで、「6年」という期間を有効に活用することができますし、順番が回ってくる候補者の方も、予め決まっているスケジュールに応じて自分の政治活動や人生におけるスケジュールを調整することができるというメリットがあります。

ただ、「れいわローテーション」をするにしても、「1年交代」がいいのか「2年交代」がいいのか、とか、党全体で獲得した当選枠を全て「ローテーション」に回すのか、それとも、一部の議席だけを「ローテーション」するのか、といったことについては、いろいろな得失を考えながら検討していく必要があるのではないかと思います。

また、具体的に「2025年参院選」の選挙戦略を考えていくにあたっては、「特定枠」をどうするのかということを検討する必要があります。

2019年参院選と2022年参院選のれいわ新選組の比例獲得議席がいずれも「2議席」だったことを考えると、2025年参院選でも舩後靖彦さんと木村英子さんの「特定枠2枠」をそのまま維持するのかどうかは、非常に悩ましい問題です。

私は、「特定枠」を今後は「1枠」としたうえで、特定枠の候補も「ローテーション」するという方法がよいのではないかと考えています。

特定枠ローテーション(案)

選挙時期特定枠候補者備考
2025年7月舩後靖彦
2028年7月木村英子2025年7月~2028年7月は浪人期間
2031年7月天畠大輔2028年7月~2031年7月は浪人期間
2034年7月舩後靖彦2031年7月~2034年7月は浪人期間

上記の表の備考欄では「浪人期間」と記載していますが、「3年という期限が決まった充電期間」として活用していくことも考えられるのではないかと思うわけです。

例えば、木村英子さんには、2025年7月~2028年7月の期間、あえて「れいわ新選組」から離れて「無所属」になってもらって、「前参議院議員」という肩書きで、全国の特別支援学校や小学校や中学校を講演して回ってもらい、子どもたちに「未来への希望」や「政治への関心」といった種を蒔いていく、といった活動を行うことは考えられないでしょうか。

それから、「2025年参院選」の選挙戦略を考えるうえでもう一つ重要なことは、「東京選挙区の候補者を誰にするか」ということです。

ご本人が「国替え」を厭わないのであれば大島九州男さんに2025年参院選の東京選挙区の候補になっていただくのがよいのではないかと私は考えていますが、他にも、幹事長の高井崇志さんがいいとか、あるいは、依田花蓮さんがいいとか、人によって様々な意見があるのではないかと思います。

いずれにしても、2025年の参議院選挙では「山本太郎」というカードは使えないわけですから、「東京選挙区で勝てる候補」として誰を擁立するのか、今年の統一地方選挙が終わった時点で早々に議論を始め、候補者の名前を浸透させる時間を確保する意味でも、できれば来年のどこかのタイミングで早めに結論を出して予定候補者を決める必要があるのではないかと考えています。

4.「れいわローテーション」を通じた「れいわ新選組の今後の発展」を考える

2025年参議院選挙における「れいわローテーション」の活用の案として、私は「特定枠を1名としたうえで、比例区の当選者が3名以上の場合には下位当選2名分を1年任期と2年任期でローテーションする」という次のような案を提示したいと思います。

2025年参議院選挙「れいわローテーション」活用案(当選者5名の場合の例)

順位候補者得票数参院選当落れいわローテーション任期
1位Aさん特定枠当選2025年7月~2031年7月
2位Bさん70,000票当選2025年7月~2031年7月
3位Cさん65,000票当選2025年7月~2031年7月
4位Dさん60,000票当選(2年ローテーション)2025年7月~2027年7月
5位Eさん55,000票当選(2年ローテーション)2025年7月~2027年7月
6位Fさん50,000票落選(2年ローテーション)2027年7月~2029年7月
7位Gさん45,000票落選(1年ローテーション)2027年7月~2028年7月
8位Hさん40,000票落選(1年ローテーション)2028年7月~2029年7月
9位Iさん35,000票落選(1年ローテーション)2029年7月~2030年7月
10位Jさん30,000票落選(1年ローテーション)2029年7月~2030年7月
11位Kさん25,000票落選(1年ローテーション)2030年7月~2031年7月
12位Lさん20,000票落選(1年ローテーション)2030年7月~2031年7月
13位Mさん15,000票落選
14位Nさん10,000票落選
15位Oさん5,000票落選

比例の「当選者5名」という想定はかなり高い目標だと思いますし、各候補の得票数は機械的に数字を当てたものではありますが、このような形で得票順によって任期に差をつけるやり方なら、ある程度まとまった得票が期待できる著名な候補者の比例区出馬を妨げることなく、確固たる基盤を持っていない「一市民」的な候補者も「れいわローテーション」の枠にすべり込める希望を持って選挙を戦えるようになるのではないかと思います。

ちなみに、比例区の当選者が1名のみの場合には「ローテーション」は実施せずに特定枠の当選者が6年の任期を全うすることとし、比例区の当選者が2名にとどまる場合には次のような「ローテーション」を行うのが良いのではないかと思います。

2025年参議院選挙「れいわローテーション」活用案(当選者2名の場合の例)

順位候補者得票数参院選当落れいわローテーション任期
1位Aさん特定枠当選2025年7月~2031年7月
2位Bさん42,000票当選(1年ローテーション)2025年7月~2026年7月
3位Cさん39,000票落選(1年ローテーション)2026年7月~2027年7月
4位Dさん36,000票落選(1年ローテーション)2027年7月~2028年7月
5位Eさん33,000票落選(1年ローテーション)2028年7月~2029年7月
6位Fさん30,000票落選(1年ローテーション)2029年7月~2030年7月
7位Gさん27,000票落選(1年ローテーション)2030年7月~2031年7月
8位Hさん24,000票落選
9位Iさん21,000票落選
10位Jさん18,000票落選
11位Kさん15,000票落選
12位Lさん12,000票落選
13位Mさん 9,000票落選
14位Nさん 6,000票落選
15位Oさん 3,000票落選

これに対して、SAMEJIMA TIMES主筆の鮫島浩さんは、比例区の選挙に関しては全面的に「れいわローテーション」を採用すべきであるとして、次のように主張しています。

「比例の議席、党の名前で得た議席は、今後の参議院選挙も、そして、衆議院選挙も、比例については、すべてローテーション制にする!」

「みんながローテーションで共有する。お互い1年おきに代わっていって、国会議員になる順番待っている人は今の国会議員を支える。公設秘書になってもいいと思うんです。みんなで議員を支えて、次々代わりばんこに国会議員になって、みんなでチームとして国会議員活動をしよう!」

「比例選出の国会議員を全て1年任期でローテーションさせる」という鮫島さんの案や、「参議院で各候補の得票数に応じて6年任期と2年任期と1年任期の議員を設定する」という私の案以外にも、れいわ新選組を応援する様々な人が、「特定枠」や「れいわローテーション」について「こうした方がいい、ああした方がいい」という意見を持っておられるのではないかと思います。

そうしたれいわ支持者の意見を全国からたくさん出し合って、その中から「今後のれいわの選挙戦略として活用できそうだ」とれいわの議員たちが考える選択肢を(場合によっては内容に修正を加えたうえで)いくつかピックアップして、3つか4つ程度の選択肢の中からどの選挙戦略を選ぶのか、最終的に「れいわオーナーズ」による投票で決めるようにしてはどうでしょうか。

昨年、れいわ新選組は、共同代表制を導入するかどうかの最終決定を「れいわオーナーズ」の投票に委ねました。

同じように「参院選選挙戦略」の最終決定を「れいわオーナーズ」の投票に委ねるようにするなら、支持者の参加意識は高まり、大いに士気も上がるのではないかと思います。

いずれにしても、「れいわローテーション」を今後どのようにするのかという話は、議員の方々や一人ひとりの支持者にとって納得がいくような形で決めていく必要があります。

投票の際には「れいわローテーションを採用しない」という案も含めて、複数の案の中から選ぶようにした方が良いでしょう。

仮に「れいわローテーション」を選挙戦略として採用するとしたなら、例えば次様なやり方で、れいわ新選組の党勢拡大や人材育成に大いに寄与できる可能性があるのではないかと私は期待しています。

「れいわローテーション」を活用した党勢拡大と人材育成のねらい

第1段階(ホップ):初めて国政選挙に出馬する候補者は、基本的に衆議院か参議院の選挙区から出馬するようにして、各地で票の掘り起こしを行う

第2段階(ステップ):選挙区で落選した候補者は、次の選挙では参議院の比例区から出馬し、「れいわローテーション」で一人でも多くの人材が国会議員を経験できるようにする

第3段階(ジャンプ):国会議員を経験した人材は、再び地元の選挙区から出馬し、選挙区からの当選を目指す

今のれいわ新選組の候補者擁立のやり方は「当選ラインからあまりにもかけ離れた選挙区に候補者を擁立して候補者や選対関係者が疲弊するような選挙はしない」という哲学に基づいており、かなり控え目な数の候補者擁立数が続いています。

それはそれで一つの見識だとは思いますが、「れいわローテーション」を活用すれば、ある程度の人数の候補者に「国会議員」としての処遇を用意できることになりますので、それを前提に、ある程度チャレンジングな選挙区への出馬を行い、れいわ新選組の政策のPRと支持者の掘り起こしを進めていくことができるのではないでしょうか。

5.おまけ:ローテーション動画

本論とは直接関係ありませんが、「大島さんがセンターのローテーション」といえば、私はこのローテーションを連想してしまいますので、おまけとして動画を載せておきます。

「れいわローテーション」も、これに負けないくらいの「ハイテンション」でいきたいですよね!

6.トピックス:統一地方選プレ選挙れいわ候補者泣き笑い

「れいわローテーション」の話はここまでにして、今日のトピックスは、「統一地方選プレ選挙」の話題を取り上げたいと思います。

今年は統一地方選の年で、4月に全国で「統一地方選挙」が行われますが、選挙実施時期の早い地域では、すでに「プレ選挙」が始まっています。(「プレ選挙」といっても、これは「予備選挙」ではなく、選挙実施時期が早い地域での「本番の選挙」です。)

2月5日(日曜日)には下関市議会議員選挙が行われ、れいわ新選組から竹村かつしさんが当選を果たしました。

一方、2月12日(日曜日)に行われた豊見城市議会議員選挙では、れいわ新選組から出馬した久保田みどりさんが、9票差の僅差で落選し、涙を飲みました。

いろいろなことがありますが、一つひとつの出来事を糧にしながら、前に進んでいくことが大切なのではないでしょうか。


憲法9条変えさせないよ

プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。

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