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立憲野党私設応援団(71)政権交代の可能性について考えてみる(その16)〜憲法9条変えさせないよ

※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。


<目次>

0.野党による政権交代の可能性について考えてみた過去の議論の紹介

1.自民党総裁選と小泉進次郎

2.立憲民主党代表選と吉田晴美

3.れいわ新選組はどうするべきか?

4.「決着」をつけて「政権交代」を果たすためのスローガンを募集します

5.おまけ:「勝手にしやがれ」替え歌


0.野党による政権交代の可能性について考えてみた過去の議論の紹介

私が連載を担当している「立憲野党私設応援団」において、過去に15回「政権交代の可能性について考えてみる」というタイトルの論考を掲載しました。

今回はその16回目の議論です。

前回までの議論を参照したい方のために、これまでの15回の記事のリンク先を載せてから、議論を始めます。

「政権交代の可能性について考えてみる(その1)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その2)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その3)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その4)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その5)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その6)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その7)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その8)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その9)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その10)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その11)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その12)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その13)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その14)」

1.自民党総裁選と小泉進次郎

自民党総裁選が始まり、9人の総裁候補が立候補して、見え透いた人気取りの選挙運動が繰り広げられていますが、良くも悪くも一番目立つのは元環境大臣の小泉進次郎さんのようです。

小泉純一郎元総理が行った製造業への派遣解禁、郵政民営化、社会保険料の段階的増額、そして、小泉進次郎総裁候補が主張している解雇規制緩和(解雇自由化)、年金受給開始年齢の80歳への引き上げに対して、リベラル派の有権者からは厳しい批判の声があがっています。

2.立憲民主党代表選と吉田晴美

立憲民主党の代表選は、元総理大臣の野田佳彦さん、立憲民主党の前代表で元官房長官の枝野幸男さん、立憲民主党の現代表で衆議院議員の泉健太さんという3人の男性候補に対し、衆議院議員当選1回の吉田晴美さんが紅一点で唯一の女性候補として代表選に挑む構図となりました。

代表選出馬を模索していた江田憲司さんが推薦人20人を集められないということで立候補を断念して吉田晴美さんと候補者一本化の交渉を行い、消費税の5%への税率引き下げと食料品の非課税化を公約にすることに合意したうえで、江田憲司さん自らが吉田晴美さんの推薦人となり、その結果、吉田晴美さんが、立憲民主党代表選4人目の候補者として、立候補の締め切りの5分前に駆け込みで立候補手続きを行い、代表選に出馬することとなりました。

吉田晴美さんは江田憲司さんと共通の公約として「消費税の税率を5%に引き下げたうえで、食料品を非課税化する」ことを掲げており、2021年の衆院選で野党4党が市民連合と「消費税5%減税」の政策協定を結んで野党共闘したときの政策よりも「食料品非課税」の分だけ一歩踏み込んだ内容になっています。

従って、もし吉田晴美さんが立憲民主党の新しい代表に選ばれるならば、幅広い野党の共闘できる可能性が生まれてくるのではないかと期待できます。

2021年の衆院選の際の東京8区の「野党統一候補」は元々れいわ新選組の山本太郎代表とすることで立憲民主党側とれいわ新選組側の合意ができていたのですが、そのことが発表された際に地元の立憲民主党の支持者たちが「#吉田はるみだと思ってた」というハッシュタグを掲げてデモを行い反発、最終的に山本太郎さんが東京8区からの立候補を降りて吉田晴美さんに一本化したという経緯がありました。

今回2024年の立憲民主党の代表選では、かつて維新の党で代表を務めたこともある江田憲司さんが代表選への立候補を降りて当選1回の吉田晴美さんに一本化したということで、そういう意味では、普通なら代表選への出馬など考えられない、相当な「強運」を吉田晴美さんは持っています。

そして、現在吉田晴美さんが掲げている「消費税減税」の政策は、山本太郎さんや江田憲司さんなどの有力政治家が自らは降りて吉田晴美さんに託すこととなった政策なのです。

吉田晴美さんは、その持ち前の「強運」で、元総理大臣の野田佳彦さん、立憲民主党の前代表で元官房長官の枝野幸男さん、立憲民主党の現代表の泉健太さんという3人の男性候補を打ち破って、まずは立憲民主党初の女性代表になってほしいと期待しています。

そして、来る衆議院の解散総選挙では、自民党を打ち破り、政権交代を果たして、我が国初の女性総理大臣の座に就き、消費税減税を実現してほしいと願っています。

3.れいわ新選組はどうするべきか?

客観的な情勢としては、立憲民主党の代表選は元総理大臣の野田佳彦さんが先行しており、仮に野田佳彦さんが立憲民主党の新しい代表に選ばれたとすると、立憲民主党とれいわ新選組の間で選挙協力が実現できる可能性は低いものと思われます。

現代表の泉健太さんの体制の下で、立憲民主党はれいわ新選組の候補予定者に対し続々と「刺客」を送り込んでいます。

弁護士で元衆議院議員の辻恵さんがいる愛知15区には元れいわ新選組川口市議の小山千帆さんを公認候補予定者とし、そしてれいわ新選組共同代表で現職の衆議院議員の大石晃子さんがいる大阪5区には前回2021年の衆院選でれいわ新選組の公認候補として大阪7区から出馬した西川弘城さんを公認候補予定者とすることを、立憲民主党は決めたのです。

さらには、沖縄4区においても、れいわ新選組が前豊見城市長の山川仁さんがいるところに、前回2021年の衆院選で落選した元那覇市議会議長の金城徹さんを立憲民主党が後から公認候補予定者として擁立し、不明朗な選考過程で「オール沖縄」の候補者として押し通しています。

はじめから「金城徹」という結論ありきの「オール沖縄」の選考過程には疑問と憤りを感じますが、とはいえ、詳しい経緯を知らずにマスコミの報道ベースで経過を知る一般の有権者にとっては、「れいわ新選組が『オール沖縄』の枠組みを壊そうとしている」というふうに見えてしまうのではないでしょうか。

レサパンさんは、れいわ新選組の政党支持率が最近低迷していることを指摘していますが、これは「野党共闘に積極的ではない」ことをもって一般の有権者から「政権交代に本気で取り組もうとしていない」と判断(誤解)されてしまっていることが一つの大きな原因なのではないかと考えられます。

このような状況で山川仁さんが沖縄4区から強行出馬したとしても、小選挙区で当選することは非常に難しく、良くて比例復活当選ということになります。

それであれば、2021年の衆院選で山本太郎さんが東京8区からの出馬を見送って東京ブロック比例単独1位で出馬したように、山川仁さんも今回は「小選挙区での議席獲得競争には加わらない」というような言い方で沖縄4区からの出馬を見送って九州ブロック比例単独1位で出馬するようにするほうが、一般の有権者から見て「れいわ新選組は『オール沖縄』の共闘を尊重している」というふうに映り、比例区での票の獲得につながりやすくなるのではないでしょうか。

いったんは「オール沖縄」の決定を尊重する姿勢を取ったうえで、今後の政治状況によっては、「2025年の参院選の沖縄選挙区に鞍替え出馬する」とか、「次の次の衆院選では、最初から『オール沖縄』の話し合いや選考会には一切加わらず、独自で沖縄4区の小選挙区から立候補する」といった感じで、今後の山川仁さんの政治キャリアをどうするのがよいのか考えていってはどうかと思います。

今回の衆院選が最後の選挙というわけではなく、今後も選挙は続いていきます。

また、今回の衆院選のことだけを考えた場合でも、山川仁さんには比例単独候補として、沖縄全域や九州全域にある米軍基地や自衛隊基地のある市町村を回って「安保法制」などの問題について問い質す形で選挙運動を進めていってもらったほうが、そのことについてはっきりしない態度を取る立憲民主党との差別化を図れるのではないかと思います。

大阪5区のほうも、状況はかなりこじれています。

共産党の宮本岳志衆議院議員が次期衆院選で大阪5区から小選挙区単独候補として出馬しようとしていることに関して、れいわ新選組代表の山本太郎さんは「本気で当選しようとする比例重複立候補ではなくて小選挙区単独で立候補しようとしているのは、大阪5区で大石晃子をつぶすためだ」というふうに捉えて共産党の側の対応を非難しているのですが、共産党の宮本岳志さんにしてみれば、「小選挙区単独での立候補は(小選挙区で当選するという)不退転の決意を示すものであり、万が一小選挙区で当選できなくても、(共産)党のために比例票の掘り起こしの役割を果たす」と考えているはずで、決して「大石晃子をつぶす」ということのために立候補しているのではないと思います。

確かに、立憲民主党による大阪5区での「刺客擁立」騒動は、あからさまな形で「大石晃子をつぶす」行為と捉えるほかありませんが、共産党の大阪5区での行動に関しては、山本太郎さんの側の被害妄想なのではないかと、私個人としては考えています。

大阪5区問題に関しての私の提案は、「大石晃子さんの大阪5区からの出馬は見送って、近畿ブロック比例単独1位で出馬する」というものです。

そのうえで、大阪5区では「選挙区は宮本、比例はれいわ」というような言い方をするようにして、「立憲民主党は共産党の現職議員に対して刺客を送るな!」と言って、立憲民主党の大阪5区での候補者擁立を厳しく非難するほうが、れいわ新選組にとっては得策だと思います。

れいわ新選組にとって(そして日本の政治全体にとっても)貴重な人材である大石晃子さんは、比例近畿ブロックで確実に当選させるべきです。

比例単独候補として近畿全域を回るようにすれば、今回の衆院選では兵庫県内で維新を非難することで「維新批判票」の掘り起こしが期待できます。

また、本人が選挙区からの立候補を希望する場合には、今回は自重して、2025年の参院選の大阪選挙区に鞍替え出馬するようにすればよいのではないかと思います。

大阪万博がにっちもさっちもいかなくなっている維新を相手に「維新を2人も当選させるな!」と言って戦いに臨めば、かなり面白いのではないでしょうか。

「立憲民主党にやられっぱなしでは支持者の士気が上がらない」というのであれば、こちら側の守りを固めたうえで、逆に相手に対して「刺客」を放つべきです。

具体的には、枝野幸男さんのいる「埼玉5区」や、米山隆一さんのいる「新潟新4区」(新潟現5区)などが挙げられます。

「新潟新4区」は立憲民主党の米山隆一さんと自民党の泉田裕彦さんの「元知事対決」の選挙区ですが、ここに田中真紀子さんを連れてくるか、あるいはれいわ新選組の自前候補であれば長谷川羽衣子さんを「刺客」として送り込むかすれば、「#米山隆一さん左様なら」として、少なくともSNS上では大いに話題になり盛り上がるだろうと思います。

もっと盛り上がるのは「埼玉5区」で、ここは立憲民主党の枝野幸男さんと自民党の牧原秀樹さんが対決する選挙区ですが、今回は共産党も候補者の擁立を予定していますので、これにさらにれいわ新選組が幹事長の高井崇志さんか初期メンバーの辻村千尋さんを「刺客」として送り込めば、枝野幸男さんの落選危機は一気に高まります。

「#消費税減税を言ったのは間違いだったと言ったのは間違いだった」ということを思い知らせるには、やはりこれでしょう。

また、れいわ新選組が共産党とケンカするなら、2025年の参院選で埼玉選挙区と京都選挙区に候補者を擁立するのが、一番効き目があります。

それまでは自重して守りを固めるのがよいのではないかと思います。

4.「決着」をつけて「政権交代」を果たすためのスローガンを募集します

自民党総裁候補の小泉進次郎さんは、「決着 新時代の扉をあける」をスローガンにしています。

野党が小泉自民党を打ち破って「政権交代」を果たすためには、良いスローガンが必要です。

みなさん、自民党が過半数割れしそうなスローガンを、知恵を絞って考えて、「SAMEJIMA TIMES」のコメント欄に案を書いて、9月30日(月曜日)までにお寄せ下さい。

例えば「決着 裏金政治vs暮らしのための政治」や「決着 裏金議員に引導を渡す」みたいな感じのスローガンや、「決着」というタイトルは使わずに「外国資本のための政治から日本国民のための政治へ」とか「日本の幸福を取り戻す」といった感じのスローガンなどが考えられるのではないかと思います。

皆様からいただいた案は、私のコメントを加えたうえで、10月16日掲載記事で全てご紹介させていただきます。

なお、10月2日掲載記事は、全く違う内容の記事にする予定ですので、あらかじめご了承ください。(早めにいただいたスローガンの案は、10月2日の記事に一部掲載させていただくかもしれません。)

良い案が出てくれば、「X」(旧twitter)でツイデモをやるかもしれませんし、もしかしてヒットする案があれば、どこかの政党が採用してくれるかもしれません。

そうしたことがない場合でも、SAMEJIMA TIMESの読者の内輪の中で盛り上がることはできると思います。

仮に10月の解散総選挙が見送りになった場合でも、10月16日の私の回の記事は「衆院選スローガン」の話をするつもりです。

どんなに先延ばしになっても、衆院選は1年後です。

今年か来年には必ず衆院選は行われますので、それに向けて、みんなで盛り上がりましょう!

皆様のコメント投稿を心よりお待ちいたしております。

5.おまけ:「勝手にしやがれ」替え歌

沢田研二「勝手にしやがれ」の替え歌をみなさまにご紹介します。

憲法9条変えさせないよ

プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。