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立憲野党私設応援団(73)政権交代の可能性について考えてみる(その17)〜憲法9条変えさせないよ

※この連載はSAMEJIMA TIMESの筆者同盟に参加するハンドルネーム「憲法9条変えさせないよ」さんが執筆しています。


<目次>

0.野党による政権交代の可能性について考えてみた過去の議論の紹介

1.「政権交代」に向けてスローガンを考えてみた件

2.「野党共闘崩壊」は辛うじて回避できたが…

3.Dr.ナイフさん提唱の「ひとり野党共闘」とプラナー2世さん提唱の「ネット落選運動」

4.社民党とれいわ新選組へのエール

5.「政権交代」実現の可能性に向けて1%だけ賭けてみたい「意外と敏充」

6.トピックス:大山のぶ代さん逝去


0.野党による政権交代の可能性について考えてみた過去の議論の紹介

私が連載を担当している「立憲野党私設応援団」において、過去に16回「政権交代の可能性について考えてみる」というタイトルの論考を掲載しました。

今回はその17回目の議論です。

前回までの議論を参照したい方のために、これまでの16回の記事のリンク先を載せてから、議論を始めます。

「政権交代の可能性について考えてみる(その1)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その2)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その3)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その4)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その5)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その6)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その7)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その8)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その9)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その10)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その11)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その12)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その13)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その14)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その15)」

「政権交代の可能性について考えてみる(その16)」

1.「政権交代」に向けてスローガンを考えてみた件

衆院選が始まりました。

今回の衆院選で果たして「政権交代」は実現するのか?

「政権交代」の実現に向けて、そのためのスローガンのアイデアを読者の皆様に募集しましたが、コメント欄への投稿は特にありませんでしたので、まずはSNS上から、石破政権のあだ名や今回の解散に関しての名称を拾って見てみたいと思います。

就任したばかりの石破内閣の支持率は決して高くなく、「御祝儀相場」というよりは、石破政権や自民党に対する国民の嫌悪感が根強くあるという雰囲気が漂っています。

かといって、野党に対する国民の期待感が高まっているかといえば、そのような雰囲気はあまり感じられません。

そういう意味では、「野党への政権交代」という方向性を打ち出すよりも、「自民党の裏金議員を落選させて、石破総理を早期退陣させる」という方向性で衆院選に臨む方が良いのではいか、というのが私個人の感触です。

よしふみさんが「#自民党全員落選運動」を訴えていることをベースにして、「#裏金議員落選運動」や「#自公統一候補落選運動」などのフレーズを広げていくと良いのではないでしょうか。

個人的には「#自公統一候補を全員落選させて裏金政治カルト政治を終わらせよう」ぐらい言ってみたいところですが、一般的には統一教会問題についての関心はあまり高くないようなので、有権者全般が関心を持つ裏金問題をメインに訴えるのがベターだと思います。

政策に関して触れるとすれば、「#石破内閣退陣させて健康保険証廃止をやめさせよう」という健康保険証廃止問題に絞るのが良いのではないでしょうか。

いずれにしても、長年自民党に投票してきた高齢有権者の自民党への投票が少しでも減るように、「#今回ばかりは比例で自民党と書かないで」と念を押しておく必要はあると思います。

2.「野党共闘崩壊」は辛うじて回避できたが…

野党間の選挙協力は上手くいっておらず、私がいま原稿を執筆している時点では、多くの選挙区で「仁義なき戦い」寸前の野党どうしの競合が生じています。

それでも、いくつかの選挙区では、れいわ新選組や日本共産党の英断で、選挙協力の態勢が確立される運びとなりました。

「市民連合との政策合意」は、立憲民主党と日本共産党と社会民主党の3党との間だけの合意にはなりますが、一応は「野党共闘」の体裁を整える形にはなったようです。

ところが、今度は逆に、リベラル系の知識人の中から、「衆院選で自民党を大敗させて政権交代が実現し、立憲民主党新代表の野田佳彦元総理がポスト石破の総理大臣に就任する展開になるとかえって危ないので、選挙であまり自民党の議席を減らしてはいけない」という意見が湧き上がってきて、珍妙な議論が展開されているようなのです。

ネット上では、自民党の議席を減らすことよりも、むしろ立憲民主党の議席を減らすことに注力する形で衆院選に臨むべきだという意見も出てきています。

そうした意見も確かに一理あると思いますが、私個人の立場としては、レサパンさんが提唱している「『真っ黒』から『限りなく黒に近いグレー』への政権交代でも、そこから第一歩をはじめて、少しずつ『白に近いグレー』に近づけて、政治を良くしていく」という考え方のほうに賛意を示したいと思います。

私流の言い方で単純に説明するなら、「『徴兵制が持論の石破茂』と『消費税増税が持論の野田佳彦』の2人の中から必ずどちらか1人を首相に選ばなければならないとすれば、どちらも嫌だが、まだしも『消費税増税が持論の野田佳彦』を選んだ方がマシ」だと思うからです。

決して「心がワクワクする政権交代」とは言えませんが、それでも心を鼓舞しつつ「辛うじてまだマシな政権交代」を現時点での目標にしていくべきだと私は思います。

3.Dr.ナイフさん提唱の「ひとり野党共闘」とプラナー2世さん提唱の「ネット落選運動」

まずは自民党と公明党の議席を減らし、そのうえで維新の議席も減らしていくべきだということで、Dr.ナイフさんとプラナー2世さんがそれぞれ「ひとり野党共闘」と「ネット落選運動」を提唱していますので、みなさまに御紹介したいと思います。

Dr.ナイフさんが「選挙区は立憲」「比例は共産」「比例はれいわ」「比例は社民」と提唱しているのは、「小選挙区で競合があったとしても自民党や公明党の候補を落選させるのに一番近いところにいる立憲民主党の候補に有権者が一本化して投票し、比例ではそれぞれの有権者が自分の考えに一番近い政党に投票する」ということなのだろうと思います。

立憲民主党の新代表が野田佳彦元総理になったことを受けて、ネット上では「自民党の議席を減らすことよりも、むしろ立憲民主党の議席を減らすことに注力すべきだ」という話が出てきていますが、小選挙区でそれをやると、自民党の議席を増やし、裏金議員の当選を多く許すことになってしまいますので、多少のことには目を瞑り、小選挙区では立憲民主党の候補に票を集めるべきだと私も思います。

比例区に関してDr.ナイフさんが「比例は共産」「比例はれいわ」「比例は社民」と言っているのはこの3党を応援する意味だと思いますが、私個人としては、「新代表に野田佳彦元総理を選んだ立憲民主党の比例での議席を減らすことに注力する」あるいは「比例区での立憲民主党への落選運動」という意味で、比例での立憲民主党以外の政党への投票を訴えていくべきなのではないかと考えています。

プラナー2世さんは維新の候補への落選運動「END維新」を提唱し、「#自民でも維新でもない選択肢」という考え方を示しています。

このPRの仕方も非常に重要だと思いますが、もう一つ「#自民でも立憲でもない選択肢」という考え方も重要なのではないかと私は考えています。

日本の政治を「大企業の利益優先」から「庶民の暮らし優先」に変えていくには、共産党、れいわ新選組、社民党がそれぞれ比例で議席を伸ばしていくことが必要だと思います。

参院選とは違い、衆院選の比例区では必ず政党名を記入する必要がありますので、共産、れいわ、社民の名称が広く有権者の間で浸透していくことを期待したいと思います。

4.社民党とれいわ新選組へのエール

社民党党首の福島瑞穂さんは、衆院選でなんとしても議席を増やしたいとの決意を示しています。

社民党の現有議席は衆議院1議席、参議院2議席で、国会議員が3名しかいないことから、国政政党であるにもかかわらず、社民党は日本記者クラブ主催の党首討論会の場に呼ばれませんでした。

2つある政党要件のうちの1つである「国会議員5名」という要件を社民党が満たすためには、今回の衆院選で3議席以上の議席を獲得する必要があります。

規模が小さくなった社民党が衆院選で3議席を獲得することは非常に高いハードルですが、そのハードルをクリアできることを心から願っています。

れいわ新選組代表の山本太郎さんは、衆院選関連のテレビ番組では議席獲得目標を(現有3議席から6議席への)「議席倍増」と言っていますが、支持者向けの集会では「2桁議席」への意欲も語っていました。

れいわ新選組が衆議院で10議席を獲得できた場合には、代表の山本太郎さんは国会の「党首討論」に参加する権利を得ることになります。

れいわ新選組は、2019年の参院選で「得票率2%」により「政党要件」を獲得し、2021年の衆院選で3議席を獲得して参議院の2議席と合わせて「国会議員5名」を擁することで「NHK日曜討論への出席権」を得ることとなり、2022年の参院選で3議席を獲得して参議院で計5議席に到達することで「参議院予算委員会への出席権」を得ることになりました。

今回の衆院選では、ぜひ「党首討論への参加権」を得ることができるよう、「#れいわ新選組10議席で山本太郎を党首討論へ」を合言葉に、10議席獲得を目指して頑張ってほしいと思います。

また、れいわ新選組で千葉14区から出馬するミサオ・レッドウルフさんには、個人的に大いに注目しています。

ミサオ・レッドウルフさんは反原発運動で実績があり、民主党政権時代に総理大臣だった野田佳彦さんに首相官邸で「大飯原発再稼働反対」の申し入れを行ったこともある「レジェンド」です。

民主党政権時代の野田佳彦総理の悪行を改めて明らかにしてその責任を追及し、世論喚起していくことは非常に重要であり、私はそのことに大いに期待しています。

5.「政権交代」実現の可能性に向けて1%だけ賭けてみたい「意外と敏充」

衆院選の結果、「自民党過半数割れ」や「自公過半数割れ」に追い込むことができるか、あるいは「与野党伯仲」の議席配分になった場合に、「政権交代」の可能性が視野に入ってくることになります。

特に「与野党伯仲」になった場合の「ラスト・ワンチャン」として、私はひそかに「意外と敏充」に期待をしています。

自民党前幹事長の茂木敏充さんの自民党総裁選の際の公約を見てみると、自民党の中では比較的まともな内容と言え、さらに「防衛増税ゼロ」を明示していることで、「消費税の軽減税率を廃止して10%へ引き上げ」を主張している立憲民主党の衆院選公約と比較してもかえってこっちの方がいいのではないかと感じる内容になっています。

茂木敏充さんは、もともと日本新党から1993年の衆院選で初当選した政治家で、「日本新党1993年衆院選初当選組」という意味では、立憲民主党の野田佳彦さんや枝野幸男さんと同期になります。

石破政権が誕生した今、自民党の中で茂木派は「非主流派」に転落しています。

衆院選後の特別国会で、茂木敏充さんが茂木派を率いて自民党を飛び出して、そこに野党が「茂木首班」で野党が相乗りして首班指名選挙に臨むことで、自民党を下野に追い込むことができるのではないか、と私はひそかに期待しています。

1993年に細川護熙総理による「非自民連立政権」が誕生したのは、「国民の投票の結果」というよりも、「羽田派が自民党を飛び出したから」という側面が強いものでした。

そのときの状況を再現し、「日本新党大集合」のような形で茂木敏充さんと野田佳彦さんが手を組み、「茂木総理大臣、野田財務大臣」のような形で新しい政権を誕生させれば、自民党の裏金政治家を野党に転落させて下野に追い込めるのではないか、と私は一人で夢想しています。

6.トピックス:大山のぶ代さん逝去

1979年から2005年まで26年間ドラえもんの声優を務めた大山のぶ代さんが、90歳で亡くなりました。

大山のぶ代さん、私たちに、そして子どもたちに、たくさんの夢と希望を与えていただき、本当にありがとうございました。

ご冥福を心よりお祈りいたします。

憲法9条変えさせないよ

プロ野球好きのただのオジサンが、冗談で「巨人ファーストの会」の話を「SAMEJIMA TIMES」にコメント投稿したことがきっかけで、ひょんなことから「筆者同盟」に加わることに。「憲法9条を次世代に」という一民間人の視点で、立憲野党とそれを支持するなかまたちに、叱咤激励と斬新な提案を届けます。

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